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「MILK」と「ハーヴェイ・ミルク」

ずいぶん前にビデオデッキが壊れて捨てたまま、持っているビデオを見ることができずにいる。映画の「MILK」を先日見て、どうしてもドキュメンタリーの「ハーヴェイ・ミルク」(ロブ・エプスタイン 1984年)を見たくなり、Yさんに頼んでやっとDVDに書き変えてもらった。

「MILK」を見ている時もいくつか「あ、この場面はドキュメンタリーからそのままフィルムが使われている」というのがわかるほど、「ハーヴェイ・ミルク」のビデオを学生たちに何十年も前の美術の授業で毎年見せてきたせいでか、よく覚えていた。

「MILK」と「ハーヴェイ・ミルク」_f0168149_21445634.gif
 

映画とビデオの大きな違いは、ミルクの私的な性を描いているかいないかだ。これは「MILK」のガス・バン・サント監督(ゲイとカミングアウトしている)が、ミルクのキャラクターをはっきりさせるために脚本で作ったという。映画としてはそれでいいかもしれない。
ショーン・ペンも、「ハスの花」の彼も、「第2ミルク夫人」も、まわりのゲイたちもみな身近にいる人を感じさせた。


やっとドキュメンタリーを見た。「ミルクが暗殺されました」と記者に発表するシーンから始まる臨場感、演技でない人々の生々しいコメント、抗議集会やTV討論会などでの、人々を勇気づけるミルクの声とメッセージと映像、そして暗殺に抗議する3万人もの人々が沈黙したまま延々と歩を進めるキャンドル・マーチのシーンへの入り方の絶妙さ。
ドキュメンタリーの最後に、「作品完成後、暗殺者ダン・ホワイトが自殺」と字幕に出て、終わる。事実はドラマよりドラマチックだ。


映画はエンターテイメントの要素がある。ドキュメンタリーのメッセージ性の強さとの違いを感じた。

5月22日がミルクの誕生日、生誕79周年という。
by o-k63 | 2009-05-24 22:53 | 映画
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